概説
めまいは、神経内科外来や一般内科外来で最も多い主訴の一つだそうです。
内耳の病気、脳の病気、良性のもの、悪性のもの緊急を要するものなど様々な疾患がめまいを生じさせます。
症状
めまいといっても、その中には様々な症状が含まれます。
・代表的なものは天井がグルグル回る回転感を伴うめまい。
・単に頭がフラフラする動揺性のめまい。
・頭から血の気がひいて目の前が真っ暗になりたちくらむめまい。
めまいを生じる病気は大変多くありますが、めまいの性質、突発性か持続性か、反復するかどうか、頭痛や神経症状などの随伴症状があるかどうかなども重要な判断材料になります。
頭の位置を変化させることによって生じる回転性のめまいが特徴。
朝起きたときにめまいがしたり、寝返りをうったらグルグルと目が回ったり、うつむいたらめまいがしたなどと訴えられます。
頭の位置を変化させるとすぐにめまいが生じるのではなく、めまいが発生するまでにごく僅か間があるのが特徴。
メニエール病とは異なり、難聴や耳鳴りは生じません。
めまいの中で最も頻度が高い疾患です。
耳鳴りと難聴を伴う回転性のめまい発作を繰り返します。
強い発作で吐き気や嘔吐も生じます。
数時間から数日持続し日常生活が妨げられることもあります。
発作を繰り返すたびに聴力障害が進行することがありますの注意が必要です。
通常は片側のみの障害ですが、20%位の確率で両側に広がることもあります。
激しい回転性のめまいが突然に嘔吐を伴って生じます。
発作は数日間続き、その後数週間ぐらい軽度のふらつきが残ることがあります。
聴力障害がまったくないのが特徴的です。
ウィルス感染の後で生じることがありますが、大部分は原因不明です。
原因不明の高度の難聴が突然に生じ、同時にめまいを伴うことも多い病気です。
聴力の回復のためには早期の治療が重要だそうです。
持続的なめまいが耳鳴りを伴って生じます。
回転性のめまいは少なく、頭がフラフラするなどの動揺性のめまいが多いようです。
中高年以降に発症することが多く、耳鳴りやめまいを伴う片側だけの難聴が進行するときに疑われます。
中枢性のめまいでは脳幹部の梗塞、小脳出血、クモ膜下出血などの脳血管障害、脳腫瘍などの危険なめまいが存在します。
特に激しい頭痛を伴う時は注意が必要で緊急を要す場合があります。
自律神経障害による起立性低血圧のためにたちくらみが生じ、これをめまいと感じることがあります。
脳への血流が十分に保たれないため、脳貧血を生じ目の前が真っ暗になることが特徴です。
他には、不整脈の発作があります。ひどいときには、けいれん、失神を伴いますが、軽い発作の時には単にめまい感だけで動悸などの心臓の症状がまったく自覚されないことも多いので注意が必要です。
過呼吸でもめまい感を伴います。
さらには、消化管出血などの急性貧血、糖尿病治療中の低血糖発作などもあります。
めまいが生じる薬としては、抗生物質、抗けいれん薬、鎮痛剤、利尿薬などが知られています。
内耳や脳の病気または内科的異常もないのにもかかわらず、めまい症状だけが持続する場合など、特に若い女性に多くみられ、不安感がめまいの後ろに隠れていることがあります。